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RME Fireface UCX を中古で買った

RME Fireface UCX の写真

アナログミキサーや Voicemeeter から脱却するために TotalMix が欲しくて RME Fireface UCX を中古で買った。10 万くらい。型落ちしてるとは言え高いけど、そこまで価値が下がるものでもないしこんなもんだと思う。

理由とか合わせてつくったおもちゃとかの日記。

これまで

これまでは OBS に音を渡すため、メイン PC の音声出力を活かしたままサブ PC からの音声もスピーカー/ヘッドホンに流すため、またスピーカー/ヘッドホンをすぐ切り替え可能にするため…といった理由でメイン PC (Windows) では Voicemeeter を利用していた。ソフトウェア故に負荷は高くもなく低くもないという感じだし、若干レイテンシがあるという点、またメイン PC がクラッシュした際にサブ PC の音が途切れるという点が不満だった。あとたまにサンプリングが狂うのか再起動してあげるまで壊れた音声が流れてくるみたいなのもある。

他にも、マイク入力のためのオーディオインターフェイスとして Roland Rubix24 を所持しているのだけれど、サブ PC でボイスチャットや会議をするために USB 切替器を利用して切り替えるのが面倒だったり、Windows 向けのドライバの出来が良くないのか切り替えているとたまに入力される音声レベルが reboot するまで著しく低くなる…みたいな現象も起こって困っていた。そして入力だけ切り替えて使う前提なので PC から Rubix24 への playback は使えない(面倒)というのも悲しい (メイン PC には常に接続されたサウンドボード等からスピーカーやヘッドホン方面に出力している)。

Voicemeeter は仕組み上レイテンシがある関係でマイク入力をモニタリングするのに安物のアナログミキサ (Behringer Xenyx Q502USB) も入れていて、PC からのヘッドホン用のミックスと Rubix24 から出したマイク音声を入れて混ぜてヘッドホンに入れていた (なお Q502USB の USB 入力はミキサ側での音量調整が難しいなどの理由で使っていない)。これの品質にも文句あるみたいなのもある。安いのでしょうがないんだけど。

また、iPad 等で音ゲーをするにあたり HDMI キャプチャを通して録画をしていると音声は HDMI の方に流れてしまうが、HDMI キャプチャボード越しに Voicemeeter 経由で再生すると当然レイテンシがひどいというのも問題だった。低レイテンシで HDMI からの音声をミキサに入れて聞きたい~という需要がある。

スピーカーのための AV アンプに HDMI を入れてからキャプチャすれば問題は回避できるけれど、普段は PC からの S/PDIF を選択しているので切り替えると PC の音が聞こえなくなるのが不便。というか、AV アンプが 昔から利用している製品 で FL 管のディスプレイは点灯しなくてリモコン操作が困難、iOS/Android アプリもメンテされてなくて動かない…という問題もあり、基本的に入力切り替えをしたくないのであった。一応 https://github.com/sorah/str_dn_2030 にパケット解析した結果の成果物を残しておいたため最低限操作はできるので、うっかり入力切替をした時のリカバリには使っているけど、たとえば HDMI 入力に設定している名前とかはぜんぜん実体に合ってなかったりと面倒な状態になっている。


Voicemeeter 自体には感謝しつつも、RME の TotalMix に乗り換えて全てを解決したいという気持ちが高まっていて、数ヶ月考えた上で中古で Fireface UCX を買いました。

新構成

Fireface UCX にして Voicemeeter, Line out 用のヘッドホンアンプ (AT-HA40USB), S/PDIF 入力用のサウンドカード (SoundBlaster Z)、アナログミキサー (Q502USB) を捨てることに成功した。

  • 入力
    • Software Playback: メイン PC、WDM 3 devices 利用
    • S/PDIF Coaxial: サブ PC
    • S/PDIF Optical: HDMI 音声分離機
    • Mic 1: マイク
  • 出力
    • Analog Out 3: サブ PC 専用にした Rubix24 の In 1、Mic 1 のみ
    • S/PDIF Optical: AV アンプ、全入力
    • Phones 7/8: ヘッドホン、上記 + Mic 1
    • あといくつか Loopback 専用にして OBS 行き

という感じになった。これだけのために RME 製品か~というのはあるけど他に安定してかつ要件を満たすと信じることのできる選択肢がない。なんならアナログ入出力ほぼ使ってないのおもしろい。S/PDIF でサブ PC から音を貰うのはこれまでもそうなっていて、SoundBlaster Z で入力して Voicemeeter に入れていた。

Rubix24 も USB 切替器から外して常にサブ PC に刺した状態になったので、マイク音声をアナログで渡している。Fireface UCX にマイクを刺したことで音質上がったし Rubix24 では調整できなかったコンプレッサーやハイパスフィルタもちゃんと設定したのでだいぶいい感じになったと信じている。あとは AT-HA40USB + Q502USB からのヘッドホン向けの出力が微妙だったのが良くなって嬉しい。

現状の問題は HDMI 音声分離機を通すと iOS/iPadOS で音量調整不可になった上でゲインメーターが TotalMix 上で振り切れてしまうレベルの音が来るところかなぁ。あとはまだ rekordbox は触ってないけど、WDM から見えるサウンド出力デバイスがたくさん生えたので DJ コントローラの出力は使わずに Main と Cue をスピーカーとヘッドホンに出せそう。

細かい音量の調整もサブ PC から TotalMix Remote で出来て便利、というのもあるけど、メイン PC には USB 切替器の外に追加でキーボードとマウスを 1 ペア用意して常に繋がった状態にしてあるのでそこまででもないかも。

スピーカーミュートキー

ただ一点予想外だったのは Voicemeeter にあったグローバルホットキーでの操作が TotalMix にはなかったこと。OSC 経由か MIDI 経由, もしくは ARC USB コントローラでの操作が必要になる。

普段の生活ではボイスチャットや会議時はスピーカーミュートをしてヘッドホンをつけていて、これまでは Voicemeeter のグローバルホットキーをマクロパッドに割り当てて高速に mute/unmute をトグルしていた。Discord のミュートボタンも横にあるので席離れる時にもスピーカーから会話きいておくみたいなのも速やかに出来て便利な構成にしている。

これは継続したかったのだけど、MIDI コントローラ買うのは大袈裟だし、Windows でグローバルホットキーを MIDI や OSC にするまともそうなソフトウェアも見つからず、探す時間で書けるなと思って自分で OSC パケット送るソフトウェアを書いた。Powershell スクリプトを除いて、Windows 向けのソフトウェア書くの何年ぶりだろう…。自分用なのでほぼ設定とかなくポート番号とか現状ハードコードです。

Windows で開発しているとはいえ普段くらしているのは Hyper-V にたてた VM なり別のマシンにいるなりしている Linux で、Windows をターゲットにするために Windows 上で開発環境整えるの面倒そうだなぁ、と思いながらやってみたら rustup と VS Code が優秀なのですんなり最低限整えることはできた。Git の操作とかは gpg 署名とか考えると面倒だったので Linux から SMB 越しにやったけど、VS Code で適当にコード書きながら PowerShell から cargo run できる、というのはすぐ作れたので体験が良かった。しかし普段の生活では Linux ターゲットな仕事や作業しかないのでこういう時にしか使わないと思う。

おまけに https://github.com/tauri-apps にある諸々も便利で、Win32 API をほぼ意識せず実装ができた。丁寧にやるなら WinRT とかの現代 API なんだろうけど、やりたい事もタスクトレイに入れつつグローバルホットキーをひっかけるってだけなので、Rust ならまあ、これで…。

なお、OSC から Mute をコントロールする術が見当たらなかったので Dim を利用している。Dim の設定を下限にしておけば実質 Mute になります。 main や mastervolume が何を指すのかもいまいちパッとしないけど、とりあえず Control Room の Main っぽいのでいいか…ということに。送信する OSC メッセージは /1/mainDim はトグル動作だけど、帰ってくるのは 1.0 と 0.0 の値なので値で操作できないというのはちょっと混乱した。

つぎ

先に書いている内容から分かるように AV アンプの機能をもうほぼ使っていないのでパッシブスピーカーごと捨ててなんかいい感じのアクティブスピーカー導入したい。スピーカー含めてもう 12 年くらい使っているのでそろそろこの音にも飽きた、というのがある。それを見越してのまともなオーディオインターフェース調達でもあった。ただ最近 FFXIV 7.0 に向けて RTX 4070 Ti SUPER 買ってしまったのもあり金がないので、スピーカーの検討はそのうちという感じ。

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